
Guild名鑑 No.127 豊かな海を未来に。九州築地 代表取締役 築地加代子さんの”想い”で生み出す水産の新潮流
港区を起点にいろんなところで働く・暮らす、楽しい時間を創りたい人たちによるコミュニティCreative Guild。このギルド名鑑ではそんなCreative Guildでつながったユニークな方々をご紹介しています。今回ご紹介するのは、宮崎県を拠点に水産業から持続可能な社会に貢献している、株式会社九州築地 代表取締役の築地加代子さんです。豊かな海を未来に残していくために、“想い”ある人たちを業種や地域を超えてつなぎ、新たな流れを水産業界にもたらしています。
【Guild名鑑ファイルNo.127】 築地加代子/株式会社九州築地 代表取締役 | ![]() |
築地さんは主婦だったところから、祖父の代から続く株式会社 九州築地の社長に。水産卸業として有名レストランなどに美味しい宮崎地域の魚を届けています。宮崎県のチョウザメや西米良サーモンといった水産物のブランディングも推進。一方で自然環境との共生を強く意図し、一貫して次世代に豊かな未来を残していくことを最重要テーマにおいて事業活動を展開しています。2024年にはしまうら真鯛の*ASC認証取得に貢献。その活動はオランダ本部からも注目される世界的にもユニークな活動に発展するなど、水産業界に新潮流を生み出しています。
*ASC認証: 海や自然にやさしい養殖を証明する国際的な基準
そんな築地さんが大切にしていることは、それぞれの人が心の中に抱いている熱い“想い”。とくに築地さんは、豊かな海を大切にする・愛する人たちの“想い”に丁寧に寄り添い、つなぎあわせ、その“想い”を叶えるためにチャレンジし続けています。未来の可能性を感じたなら飛び込んでみる、あらゆる垣根を越えて巻き込む、あきらめずに試行錯誤し続ける、さらにはそこから生まれた喜びを広く社会に届けていく、しかも自然体に。その姿勢は確実に多くの人たちにエネルギーを届け、未来の可能性を具体的なカタチに変えることにつながっています。
世界的な気候変動や人口増加、経済構造の変化などを受けて、水産資源の持続可能性は危ぶまれています。それは当然ながら海の生態系や環境にも大きな影響を与えていくことになります。一方で国内に目を向けると一次産業の就労人口は減少傾向にあり、高齢化も進んでいっています。つまり私たちがいま“当たり前”に食べている魚介類は、近い将来“当たり前”ではなくなってしまう恐れが強くなっているのです。しかし残念なことにその危機感を持てないばかりか、その現実を知らない人は少なくありません。これは水産業に関わらず、環境問題全般に言えることです。
だからこそ築地さんのようなアクションは重要です。なぜなら、自然環境に対する問題、社会構造に対する問題、事業活動としての問題、そして日常の暮らしの豊かさや個々人の健康の問題を包括的に取り組むものだからです。しかもその前向きさ、明るさが、“楽しい”雰囲気を創り、地域や世代によい影響も与えてくれます。それはまさにCreative Guildが目指す、“楽しい”というハーモニーを奏でる社会というオーケストラの在り方。ぜひ築地さんの姿にならって、このハーモニーを広げ、次の世代にもつないでいきたいですね。
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